管理職の役割と能力

トップ⇔ボトム活性化では、管理職の役割を重要視しています。

組織は 経営トップ 部門 課 係 という重層構造になっているのが一般的です。
その各集団のかなめの役割を果たし、上位の集団、横の集団との橋渡しをするのが管理職です。

中間管理職というと、上にも下にも気を使い、上からも下からも小言を言われるという世間でのイメージがあり、中年サラリーマンの悲哀を象徴するものとなっていますが、実際に非常に重要なポジションです。
縁の下の力持ちであり、集団の先頭に立って走るリーダーでもあります。

トップ⇔ボトム活性化の「⇔」の部分を担うのは管理職です。
なので、管理職の皆さんに「⇔」の役割を十分に果たしてもらえるよう、ルール化、システム化を行います。

能力と役割のギャップ

管理職は能力を認められて管理職に任命されています。
なので、「これくらいのことは出来るはず」というイメージが、経営トップにも、一般の従業員にも刷り込まれています。

でも、「管理職として認められた能力」が、それぞれ違う場合があります。

現場の作業者であった管理職の場合
作業の効率がよく生産性が高い、不良削減などの問題解決能力が高い、コミュニケーション能力が高く周囲に慕われている、などの場合があります。

営業職の場合
営業成績が良い、取引先からの信頼が厚い、企画立案能力が高い、など。

キャリアが長い、という場合もありますね。

管理職として求められている能力は、「組織のリーダーとして求められる様々な能力」であり、全てにおいて優秀な「ゼネラリスト」です。
しかし、管理職となった理由は、一芸に秀でた「スペシャリスト」であるという理由の場合もあります。

管理職として求められる能力を全て備えた完璧な人材は、ほぼいないと言っても良いと思いますし、どうしても消去法で管理職を選ばなくてはなりません。
つまり、管理職としての能力を得ないままに管理職になり、実際に管理職として働きながら足りない能力を少しずつ得ていきます。

これは、人材の豊富な大手企業にも言えることです。

軽視されがちな管理職への教育訓練

しかし、中小企業の場合、管理職になったからと教育訓練の対象から外れる場合があります。
それは、教育訓練にかけられる予算が限られている、管理職は多忙になるので教育訓練にかけている時間が無い、などの理由であると思います。

「名選手は必ずしも名監督ではない。」と言います。

管理職に求められる能力と、プレイヤーそしての一般従業員の能力が違うのは分かっていても、優秀なプレーヤーを管理職にしなければらなない理由もあります。

プレーヤーとして優秀ではない従業員が、プレイヤーとして優秀な社員を差し置いて管理職に昇進すれば、プレーヤーとして優秀になる事が出世にとってムダなこととなり、優秀なプレイヤーを目指さなくなります。
なので、優秀なプレイヤーを管理職にせざるを得ない。
ということは、管理職としての適性のない従業員が管理職になる場合もあり得ます。
中小企業は人材が少ないので、「他にいない」と、消去法で選ぶことが多いかもしれません。
でも、それは決してネガティブな考えだけではなく、将来の可能性を期待してのことでもあります。

管理職に求められる能力は、幅広く、一朝一夕で身につくものではありません。
管理職だからと、一律に同様の能力があると考えて対応するのはリスクとなる場合があります。

「裁量を与えた管理職だから自分で考えろ」ではなく、
①教育訓練を行うこと
②属人的な能力に頼ることなく、管理職業務を一定のルール化・システム化をすること
がリスク管理としても必要です。

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