中小企業の改善提案はなぜ失敗する?

改善提案はなぜ中小企業で失敗するのか

少し前のデータですが、2017年のものづくり白書に「ものづくり人材の育成・能力開発のために行われている取り組み従業員教育」というデータがありました。

改善提案の奨励という回答が、大企業と中小企業で差が一番大きかったのです。
大企業では2番目に多い回答であった改善提案制度が、中小企業では7番目。
大企業では74.5%ですが、中小企業では20.5%でした。

改善提案とは、自分の業務や職場の問題を、自分で改善する活動です。
例えば、作業効率を上げるため、作業者自ら治具を作成する。2つの作業を同時に行う。など。
作業者は自分が行った改善を改善提案報告書に記入し、上司を通じて改善提案委員会などと呼ばれる改善提案制度の世話役を行う組織に報告する。(だから提案なのです)
一言で言えばこのような活動です。いろいろお伝えしたいことはあるのですが、改善提案については、また別ブログで詳しく書きますね。

改善提案はボトムアップの代表的な活動です。

上手く活用すれば、従業員のスキルアップ、モチベーションアップ、生産性の向上など、良いことずくめです。

実は、改善提案をうまく中小企業に定着させられないか?が、トップ⇔ボトム活性化を開発するきっかけになりました。これを考え、試行錯誤するうちに、中小企業を対象とした、経営者と従業員をつなぎ、継続的な業績向上(業績向上スパイラル)を実現できるシステムを作ることが出来たのです。

以前、私が勤めていた企業で、私は改善提案委員会の委員長をしていましたし、若手社員の頃には頑張って改善提案を考えていたのを覚えています。
実は、その企業でも、一時改善提案制度が無くなりました。これではいけないと復活したので、中小企業で改善提案制度を維持する難しさは理解しています。

実際に中小企業従業員として改善提案に対する問題点は

①改善提案の数を追いすぎてしまう。

大企業では一人の従業員が年間百件以上の改善提案を行うことも普通です。
そういった事例に流され、数を出すように従業員に無言の圧力をかけてしまう。
ハインリッヒの法則 (安全衛生の考え方で、一つの重大事故発生の背後に29の軽微な事故、300件の異常が存在するという考え。転じて、一つの大きな成果の背後に29の小さな成果、300の改善、というように、数を追えば成果も上がるという例えにも使われるようになった。)も影響しています。

私が行った改善提案制度セミナーでも、「改善提案の件数が減ったから、何かヒントが無いかと参加しました。」とおっしゃられる方がおられます。
そして、その方の企業は、大企業かそれに近い中小企業です。

②成果を追いすぎてしまう

成果を追いすぎると、成果の乏しい改善が行われなくなります。この程度で報告するのは恥ずかしいとか、バカにされるのでは?とかの感情が芽生えると、改善提案のハードルが跳ね上がってしまいます。

③人手がかかる

私も改善提案委員長をしていましたが、月に1度、2時間程度委員会を開いていました。
各職場から委員が出席するので、仕事の調整もそれなりに大変でした。100人規模の比較的大きな中小企業でも大変なのだから、より規模の小さい企業は難しいでしょう。

こうして、委員会メンバーも含めた従業員が疲弊していき、改善提案の件数も減っていき、ついには改善提案が消滅してしまいます。

 

「改善提案制度」が終わっても良いのです。「改善」が行われれば。
改善提案制度は改善を促すための方策にすぎません。

しかし、改善提案制度の終了と当時に改善まで行われなくなる現状があります。
「制度」の不備が、「改善は不要なんだ。」という誤ったメッセージを与えてしまいます。

これは大問題です。

では、どうするか?

次回は、改善提案を継続するための心構え・コツについて書きます。

 

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