従業員とのコミュニケーションの手順

ロシア政府とウクライナ政府 どちらを信用しますか?

今、テレビのニュースでは、ロシアのウクライナ侵攻に多くの時間を割いています。

その内容のすべてが反ロシア政府、半プーチンという論調です。

日本での報道を見る限り、ロシアが一方的にウクライナを支配下に置こうとしている。そのために非人道的な虐殺や攻撃を行っているとなっています。

ロシア政府=悪 ウクライナ政府=善。
ロシア政府=嘘 ウクライナ政府=真実。

私はテレビでの報道鹿情報を得ることが出来ないので、この図式はおそらく正しいものとして受け止めています。

ウクライナのことをどれだけ知っていますか?

日本政府と多くの日本人はウクライナ支持の立場です。

何よりも、ウクライナや市民の避難先の周辺国からの報道やSNS等、とてもウクライナ側が嘘をついているように思えません。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻以前はウクライナがどこにある国なのか、大統領の名前、首都等を知っている日本人がどれだけいたのか。

対してロシアは首都がモスクワであること、ウラジミール・プーチンが大統領であること、むしろウクライナよりも知っている国です。

国連常任理事国でもあり、首脳同士の会談も頻繁に行われています。

つまり、われわれ日本人にとって、ロシアはウクライナよりもコミュニケーションを取っていた国です。

ロシアとは北方領土問題があり、信用していないという側面はあると思います。一方のウクライナも中国の海洋進出を後押しするように空母を売り渡した国であり、よくは知らないが何だか信用ならない国であるという認識ではなかったでしょうか。

でも現在、多くの日本人は、ウクライナを信じてロシアは信じていません。

ロシアのほうが馴染みがあるはずなのに

つまり、コミュニケーションを取れば良いというものでもないのです。
嫌いな人とコミュニケーションを取ると、ますます嫌いになるという研究結果もあります。

ウクライナが短期間に少なくとも私たち日本人から信用を勝ち取ったのは、情報発信が理由ではないでしょうか。

ゼレンスキー大統領がキーウから逃げずに、SNSも駆使して情報を発信していることが象徴するように、紛争当事者であるウクライナからの情報発信量がいままでの紛争とは桁違いに多いように感じています。
ウクライナ政府やマスコミ以外にも、ウクライナ政府を後押しするように一般市民からのSNSによる情報ももたらされ、リアルタイムの生の状況を伝えています。

これにより、ウクライナ政府は世界中の多くの人々から信用され、支持・支援を得ています。

日本でも、比較的コミュニケーションを取っていて知っているロシアよりも、比較的コミュニケーションが乏しく今まであまり知らなかった国ウクライナが、積極的に情報発信することにより一気に信用を得ました。

効果的なコミュニケーションには手順がある

企業に置き換えて考えましょう。

コミュニケーションは双方向なものです。コミュニケーションは会話が基本ですが、会議等のオフィシャルなもの・飲み会等のオフィシャルでないもの、色々な方法があります。これにより、相手の考えがわかり、自分の考えも伝わり、人間関係の円滑化や相互理解が育まれ、いわゆる風通しの良い企業になる事が期待されます。
しかし、日本とロシアのように、相手に不信がある状態では効果が無く、逆効果になる場合もあります。

コミュニケーションの前提として相手への信用が必要で、そのためにはウクライナ政府のように自分の情報を公開すること・情報を発信することが効果的です。

企業には考え方やバックボーンが違ういろいろな人間が働いています。経営者が全社員と双方向のコミュニケーションを取り、相互理解を育てるというのは不可能です。
しかし、情報の公開・発信は一方通行なので、朝礼・会議・打合せ等、情報公開の場はいくらでも作れます。
情報公開としてのトップダウンが機能すると、部下の信用を得ることが出来ます。信用というのは、意見の一致ではありません。少なくともその人は嘘をつかない・危害を加えない・隠し事をしないというような信用です。

部下とのコミュニケーションに悩む経営者がおられたら、双方向のコミュニケーションよりもまずは一方通行の情報発信に力を入れられたら如何でしょうか。コミュニケーションの土台となる信用を作り上げた後に双方向のコミュニケーションに移り、相互理解と意見の一致を目指すという手順を踏むのが効果的です。

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