組織の学習

一つの問題を解決したら、同じような問題がまた発生した。
従業員のミスを指導し、理解してくれたと思っていたら、また同じミスを犯した。

ありがちですね。
実際、多くの企業・職場でこのような声が繰り返し聞こえてくると思います。

なぜ、同じような間違いが繰り返されるのでしょうか?
組織の問題の多くが、この問いに隠されています。

真の原因は何?

例えば、ある従業員が遅刻をしました。理由は寝坊です。
「すみません。つい寝るのが遅くなり、起きられませんでした。今度から気をつけます。」たいていの場合、それで話は終わります。

原因は、寝るのが遅くなったから。
その結果、朝起きられずに遅刻という現象が起こった。
だから、早く寝ればよい。

これで解決?

 

例えば、ある営業マンの売上が下がっています。
どうも、デスクワークが多くなり、得意先への訪問が減っているのが原因のようです。
「デスクワークよりも、得意先への訪問に力を入れてくれ。」

原因は得意先への訪問が減ったから。
その結果、売上が減少した。
だから、得意先への訪問を増やせばよい。

これで解決?

 

どちらの例もこれで解決とは思えません。

最初の例では、なぜ、寝るのが遅くなったのか?
次の例では、なぜ、デスクワークが多くなったのか?

これを解決しなければ、また同じことが起こります。
単に「頑張れ」だけで、真の原因は解決されません。

最初の例の、「早く寝ればよい」「得意先への訪問を増やせばよい」という対応をシングルループ学習と言います。

そして、なぜ、寝るのが遅くなったのか? なぜ、デスクワークが多くなったのか? の答えを明らかにし、真の問題を解決し、永続的なものとする。これをダブルループ学習と言います。

仕事が特定個人に集中し、自宅に持ち帰って夜遅くまで仕事をしていたために遅刻をしたのならば、仕事が特定個人に集中しないように仕事の割り振りを考えなければなりません。
実は夜遅くまで親の介護をしている場合もあるかもしれません。そんな場合は残業の免除や比較的体が疲れにくい職場への配置転換、非正規職員ならシフトの変更などの対応も検討する必要があります。

デスクワークが多くなった原因が、業務報告書を書くのに手間取っているなら、業務報告書の書式を変えて書きやすくするとか、要点のみに簡略化するとか、そもそも紙の報告書が必要なのかとか、課題や解決方法が出てきますね。
もしかすると、従業員個人の問題ではなく、組織としての問題かもしれません。
無駄な会議が多いとか、上司との人間関係、実は訪問先の取引先の担当者にパワハラ的な言動を受けていて訪問するのが嫌だとか・・・。
これほどバラエティーに富んだ原因が考えられるのですから、真の原因によって対処の方法が全然変わります。
今、上にあげた原因も真の原因にたどり着いているわけではありません。さらに深掘りし、真の原因を追究する必要があります。

ダブルループ学習と同様の概念の分析方法で、「なぜなぜ分析」という分析方法があります。「なぜ」を最低5回繰り返して真の原因を探る分析方法です

現象に着目し、現象そのものにアプローチするのではなく、その現象を生んでいる要因=真の原因にアプローチするという事です。

ただ、困ったことに、真の原因を探ると「厄介なことになる。」「面倒なことになる。」「大事になる。」として、真の原因を放置し、シングルループでお茶を濁す場合も組織の中ではあると思います。

真の原因から目をそらさず、問題解決にチャレンジする組織文化が「業績向上のスパイラル」を生みだします。

また、真の原因から目をそらす理由も、「目をそらすな!」という精神論を超えて、ダブルループ学習の考え方で真の原因を明らかにすることが必要です。

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