信用・信頼とコスト

新型コロナウィルス・・・。 早く終息してほしいですね。

私も、ある金融機関さんと計画していたセミナーが延期となりました。
この程度ならよいのですが、実際に感染した方の身体の辛さや生活上のご苦労は想像もつきません。

スポーツやイベントも延期や無観客などの対応が取られていますが、損失は大きいでしょうね。

 

感染すると、当然健康や命への影響がありますし、経済的な影響もどんどん広がっていきます。

と、同時に、政府の対応に関しての不信感も広がっているようですね。
人は、「知らないもの、わからないもの」への恐怖心は大きくなると言われています。
過剰に怖がっていると主張する専門家もおられますが、頼るべき政府に情報が無い・混乱する・信用できない、というのは恐怖心を増大させます。

もちろん、厚生労働省を始め医療関係の皆さんなどの最前線では予期せぬことが発生していると思いますし、そもそも新しいウィルスなのでデータが乏しい。

でも、情報が混乱する、当然政府は把握しているだろうと思っていた情報が把握されていないなど、政府への信頼・信用は落ちてきているようです。

信用が得るとコストが減少する 売上にも直結する

若手サラリーマン時代に、取引先の社長さんから、「信用を得るとコストが減るんです。逆に信用が得られないとコストが増えるんです。」と教えてもらったことがあります。

 

例えば、ある会社Aと新規の材料購入の取引をすることになったとします。

最初はAに対する信用はゼロです。

まず、そのAはどんな企業か。

購入する材料の品質・納期・価格はもちろん、Aの財務状況、評判、取引先など、Aに直接情報を求め、関連企業等からも間接的に、可能な限り情報を集めて、それでOKとなって初めて取引が始まります。

それでもリスク回避のためにまずは小さな取引から。営業マンが毎回あいさつと商品の説明を兼ねて直接配達します。

小さな取引から少しずつ信用を積み重ねて大きな取引へ。

購入した材料の受入検査も初めは全数検査であったのが、品質への信用があると、徐々に抜き取り検査になり、それも最初は10個に1個の検査であったのが、50個に1個、100個に1個、と減っていきます。

 

自社にとっても、A社にとっても、相手を信用できる、相手から信用されると、コストが減少していきます。

A社は信用を得るために情報提供や小ロットで不効率な受注を積み重ね、コストはかかりますが少しずつ信用を得ました。

信用を得たら注文書一枚で大ロットの受注を得ることが出来ます。

営業マンが毎回訪問せずとも、配送業者に任せます。

 

自社にとっても、A社への信用から、全数検査が不要になり、安心して大ロットの注文をすることが出来ます。

また、A社から信用を得ることにより、有利な信用取引が出来るかもしれません。

 

小売業や飲食店はもっとわかりやすいですね。そして、お客様から直接的に反応が返ってきます。
あのお店は品質が良い。おいしい。サービスが良い。という信用が、初めてのお客様をリピーターにし、他店より高価格でも買って頂けます。
お客様は今のお店に満足しているため他のお店を探す必要が無く、お店側は広告宣伝が最小ですみます。お店のブランドにつながります。
逆の場合は・・・。言うまでもありませんね。

信用は社内のコストも下げる モチベーションにも影響する

他社との取引だけではありません。

例えば・・・信用が無い例として・・・
新入社員が作った製品は当面全数検査。
不良が発生すれば、原因と対策が完了するまでは全数検査。不良品の回収と代替品の作成に時間と費用が発生し、大きな損失になります。
営業部からの需要予測の信頼性が低いから、在庫を多めに持たなければならない。
製造部の納期が遅いから、多めに生産指示を出し、倉庫で在庫を持たなければならない。

従業員との関係に相互の信用と信頼があるなら・・・
指示(トップダウン)をすんなりと受け入れ、努力してくれる。
信頼関係があるから従業員が情報を伝えてくれる(ボトムアップ)。
社長が示す明るい未来がイメージできるから、目標にまい進できる。

信用を得ると、自分の、相手の、コストを下げるのです。
自分だけではなく、相手のコストも下げるというのが重要です。

お互いに信用を積み重ね、WINーWINの関係をつくることが重要です。

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