先日、仕事前に朝食を食べながらテレビを見ていました。
星野リゾートの星野佳路さんがゲストで出ておられました。
このコロナ禍で観光業界は大打撃を受けています。星野リゾートも例外ではなく、大打撃を受けられた。
でも、すごいですね。星野リゾート。
従業員に「倒産する確率」を発信されたらしいです。
それと同時にマイクロツーリズム(近隣への旅行)に力を入れられた。
海外からの観光客はほぼ期待できず、国内旅行でも県をまたいだ観光が何かと憚られる中、近隣のお客様を呼ぶというのは当たり前かもしれません。
海外や遠方からはダメなのですから残るのは近隣のお客様だけです。
しかし、言うのは簡単ですが、何を好き好んで地元やその周辺に観光に行くでしょうか?知らないところに行くから観光であり、非日常を味わえるから観光なわけです。
その無理難題に従業員さんが応えます。
地元の人でも知らない地元の魅力を発信するサービスを次々に生み出し、リピーターも増え、マイクロツーリズムが軌道に乗ります。
そして30%以上であった倒産確率が、コロナ禍が続く状態で10%程度に減少させているそうです。
コロナ終息後もマイクロツーリズムは星野リゾートの柱の一つとして期待できるとの話でした。
星野リゾートさんは単にホテルや旅館を所有してお客様を呼ぶのではなく、企業ビジョンを「リゾート運営の達人」と定義されています。
なので、ホテルや旅館という施設、宿泊するところを提供するのではなく、サービスを基本とした空間・時間・体験というソフトを提供するという意識が従業員さんに染みついているのでしょうね。
そうした企業文化を持つ企業の従業員さんは、倒産確率の上昇という従来のビジネスモデルからの変革が必要な状況であることを理解され、マイクロツーリズムを行うという経営者からの投げかけに対して、新しいサービスを次々に生み出された。
星野リゾートのホームページにはマイクロツーリズムに関するサービスがたくさん載っています。
https://www.hoshinoresorts.com/experiences/?exptag=1345
経営者が会社の現状を正しく伝え、目指すべき方向性を示し、従業員さんに権限を与えたり、アイデアを実行できるルートを整備すると、従業員さんは自ら危機を脱するための仕事をしてくれるんです。
今、事業再構築補助金が募集され、想定外の応募が集まっていると聞きます。
でも本当の事業の再構築ってこういうことを言うんでしょうね。
事業の再構築とは今までのビジネスモデルを捨てて新しいビジネスモデルを立ち上げることです。言うは易し、行うは難しです。
経営者のトップダウンだけで出来るものではありません。
従業員さんからのボトムアップがあってこそ、可能になるものです。
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